令和2年度2回目の宅建試験が、2020年12月27日に実施されました。
今年度は新型コロナウイルスによる異常事態の影響で、異例の2回の試験が行われた年でした。
さらに、コロナウイルスが全国的に再度感染が拡大している第3波の中での実施。
受験生の皆さま、このような大変な状況の中で本当にお疲れ様でした。
初めてのことばかりで、戸惑いやストレスが多い受験生活だったと思います。
試験勉強中の頑張りや本試験の疲れをしっかりとってください。
目次
2020年度12月宅建試験の解答速報と問題レベル(難易度)
宅見(たくみ)所長
問題レベル(難易度)については、基本、標準、やや難、難問の4段階に分けています。
問題レベルの目安
- 基本:確実に正解したいレベルの問題
- 標準:合格者のほとんどが正解するレベルの問題
- やや難:不正解でも仕方のないレベルの問題
- 難:間違えても全く問題ないレベルの問題
権利関係(民法など)の正解と問題レベル
問題 | 項目(出題範囲) | 正解 | 問題レベル(難易度) |
1 | 不法行為 | 3 | 難問 |
2 | 代理 | 1 | やや難 |
3 | 親族(夫婦間) | 4 | 難問 |
4 | 債務不履行 | 2 | やや難 |
5 | 時効 | 2 | 標準 |
6 | 転貸借 | 1 | 標準 |
7 | 売買契約 | 2 | 基本 |
8 | 相続 | 3 | やや難(組合せ問題) |
9 | 地役権 | 1 | 標準 |
10 | 共有 | 4 | 基本 |
11 | 借地借家法(借地) | 4 | 標準 |
12 | 借地借家法(借家) | 3 | 基本 |
13 | 区分所有法 | 3 | 基本 |
14 | 不動産登記法 | 2 | 難問 |
法令上の制限の正解と問題レベル
問題 | 項目(出題範囲) | 正解 | 問題レベル(難易度) |
15 | 都市計画法 | 2 | 基本 |
16 | 都市計画法 | 2 | 基本 |
17 | 建築基準法 | 1 | 基本 |
18 | 建築基準法 | 4 | 基本 |
19 | 宅地造成等規制法 | 1 | 基本 |
20 | 土地区画整理法 | 3 | 標準 |
21 | 農地法 | 3 | 基本 |
22 | 国土利用計画法 | 4 | 基本 |
税の正解と問題レベル
問題 | 項目(出題範囲) | 正解 | 問題レベル(難易度) |
23 | 登録免許税 | 1 | 標準 |
24 | 固定資産税 | 3 | 基本 |
25 | 地価公示法 | 1 | 基本 |
宅建業法の正解と問題レベル
問題 | 項目(出題範囲) | 正解 | 問題レベル(難易度) |
26 | 宅建士について(業務に関する規制) | 2 | 基本 |
27 | 広告に関する規制 | 3 | 基本 |
28 | 媒介契約 | 1 | 標準(個数問題) |
29 | 宅建士について(業務に関する規制) | 3 | 基本 |
30 | 保証協会 | 2 | 基本 |
31 | 免許 | 3 | 基本 |
32 | 重要事項説明書 | 4 | やや難(個数問題) |
33 | 営業保証金 | 4 | 基本 |
34 | 報酬 | 4 | 基本 |
35 | 契約書面(37条書面) | 3 | 標準(個数問題) |
36 | 守秘義務 | 3 | 基本 |
37 | 契約書面(37条書面) | 1 | 基本 |
38 | 宅建士について | 1 | 標準(個数問題) |
39 | クーリング・オフ | 1 | 基本 |
40 | 業務に関する規制 | 4 | 基本 |
41 | 帳簿 | 2 | 基本 |
42 | 重要事項説明書 | 1 | 標準 |
43 | 宅建士の登録 | 4 | 標準 |
44 | 宅地の定義 | 2 | 基本(個数問題) |
45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 4 | 基本 |
免除科目の正解と問題レベル
番号 | 項目(出題範囲) | 正解 | 問題レベル(難易度) |
46 | 住宅金融支援機構 | 4 | 基本 |
47 | 景品表示法 | 2 | 基本 |
48 | 統計 | 2 | 基本 |
49 | 土地 | 3 | 基本 |
50 | 建物 | 3 | 基本 |
2020年度12月宅建試験の総評(感想)
2020年度12月試験は1回目の10月試験と比べて、難易度はほぼ同レベルの試験だったと感じます。
権利関係(民法など)の総評
それでは、最初に権利関係から確認していきます。
権利関係は、10月試験と比べて難しく、例年と比較しても全体的にやや難しいレベルでした。
レベル別にみると、やや難と難問が合わせて6問、標準レベルが4問で基本レベルは4問しかありませんでした。
この基本レベルは確実にとりたいところです。
問題1、3、14は特に難しかったと思います。これらは不正解でも全く問題ないレベルの問題です。
最初から、4問続けて難しいレベルの問題が続きました。
権利関係が苦手の方は苦戦したと思います。
権利関係は、14問中8問正解できれば良いと感じます。
法令上の制限の総評
次に、法令上の制限を確認してみます。
全体的に基本レベルの問題が多く、全問正解も狙えるレベルでした。
基本レベルが7問、標準レベルが1問。
特に、問題19、21は易しい問題でした。できれば7問正解したいところです。
税の総評
税は、10月試験とは別の項目が出題されました。
できれば3問、悪くても2問は正解したい内容です。
宅建業法の総評
宅建業法については、例年とほぼ変わらないレベルでしたが10月試験と比べると少しだけ難しめの問題が出題されています。
基本レベルが14問、標準レベルが5問、やや難しいレベルが1問でした。
個数問題が5問出題されていますが、特に難しい問題はなく基本から標準レベルです。
宅建業法は、悪くても17問は正解したいレベルです。
重要事項説明書は、細かいところまで聞かれるのでしっかりと押さえておく必要があります。
重用事項説明書(35条書面)と37条書面は比較しながら整理しておくと、覚えやすく知識が定着します。
免除科目の総評
最後に免除科目をみてみます。
免除科目は、全て基本レベルの問題でした。合格者の多くが全問正解できる内容です。
4問は正解したいところ。
そのため、今回の試験は登録講習修了者と一般受験者の差が少ない試験だったのではないかと思います。
素直に民法から解き始めた方の中には、連続して難しい問題が続いたので、頭が真っ白になってしまった方もいたと思います。
試験が始まったばかりの時は、ほとんどの受験生が極度の緊張状態に陥っています。
問題1から順番に解いた人は、ペースを乱された方が多かったのではと感じた試験でした。
ここで、合格するためのテクニックの一つをご紹介します。
そのテクニックとは、本番の宅建試験では最初の民法から解かずに、宅建業法から解き始めることです。
簡単な問題から解き始めて、落ち着いてから、または最後に難しい権利関係(民法)を解く方が良い結果がでます。
おすすめは、「宅建業法→法令上の制限→税→免除科目→権利関係」や「宅建業法→免除科目→法令上の制限→税→権利関係」の順で解くことです。
思うように点数が取れなかった方は、次の試験では問題を解く順番も工夫してみましょう。
2020年度(令和2年度)12月試験の予想ボーダーラインについて
10月試験の状況から判断すると、新型コロナウイルスの影響もあり、例年以上に本気で挑む受験生が多かったと推測されます。
そのため、試験レベルも難しくなかったこともありますが、合格ラインは過去最高の38点、合格率も17.6%と高い数字がでた試験でした。
12月試験も同じ傾向が予測できます。
試験全体の難易度は10月試験とほぼ同じレベルなので、各資格スクールや専門学校の予想も10月試験の合格ボーダーラインに近い点数になっています。
2020年度(令和2年度)10月宅建試験の結果について、詳しく知りたい方はこちら↓をご覧ください。
【2020年10月宅建試験】合格発表結果は合格ライン38点、合格率は17.6%!2020年12月宅建試験の資格スクール・専門学校各社の予想は次のとおりです。
資格スクール・専門学校 | 予想合格ボーダーライン |
LEC | 36、37、38点 |
日建学院 | 37、38、39点 |
ユーキャン | 36、37、38点 |
フォーサイト | 37、38、39点 |
アガルート | 37点 |
Kenビジネススクール | 38、39点 |
クレアール | 37、38点 |
TAC | 37、38、39点 |
大原 | 36点 |
大栄 | 36点 |
総合資格学院 | 現時点(12/28)では未発表 |
今回の令和2年12月試験も、37、38点の予想が多いですね。
日建学院、フォーサイト、Kenビジネススクール、TACなどは39点の予想も出しています。
試験の難易度を出すときの判断材料となる個数問題や組合せ問題は、全部で6問出題されました。
個数問題の問題数は多めでしたが、問題の難易度は標準レベルが多かったので、10月試験と比べて合格ラインが極端に下がることはないでしょう。
当サイトの予想合格ボーダーラインは「37、38点」です。
過去10年の宅建試験の合格ボーダーラインと合格率推移について、詳しく知りたい方はこちら↓をご覧ください。
宅建のボーダーラインはどれくらい?2020年10月試験最新の合格点の予想も掲載!2020年度(令和2年度)宅建試験まとめ
ここ最近の宅建のボーダーラインは高い傾向がみられます。
直前の2020年度10月試験では過去最高の38点で、今回の12月試験の各資格スクールの予測も37~39点が多くみられます。
この要因の一つに、「受験生全体のレベルが上がっている」ことが考えられます。
宅建試験は、100人中15~17人しか合格できない難しい試験。
2021年度(令和3年度)の試験で合格を目指す方は、宅建試験は決して簡単に合格できるレベルの試験ではないことを自覚して、なるべく早めに勉強を開始しましょう。
早くから開始すれば、1日1時間程度の学習で合格レベルに達しますが、勉強開始が遅くなれば1日3~4時間勉強しても合格レベルに達しない可能性があります。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。